なに?なんであたし呼ばれた!?


前を見れば、魁くんがあたしを手招きしている。

お前か呼んだのは!


しかたなく双子の前まで歩いていくと、魁くんがこそっとあたしに耳打ちした。


「俺らのこと紹介しろよ」


「え、なんであたしが」


ほとんどあなたたちのこと知らないんですけど。


「いいから」


たぶん今魁くんに逆らってもなにもならないな。

あたしはひとつ溜め息をついて、とりあえず魁くんを指差した。


「こっちの若干目付き悪いのが黒崎 魁くんで、そっちの大人しいのが来くんです」


大人しい…よね?

昨日から声さえ聞いたことないし。


ちら、と魁くんを見ると、なぜか不満げ。

なんか間違ったこといったかな。

あ、目付き悪いってとこ?


「魁くんてのやめろよ、気持ちわりぃ」


「はい?」


そこかい。

あたしも最初から思ってたよ!

なんかこんなドSに君づけしたくないなって!