「はーい、席ついて~」


ゆるふわなあたしの担任、おじいちゃん先生こと新谷先生が教室に入ってくる。


それを合図に、みんなもガタガタと席についた。


「え~、突然ですが今日は転校生が来てますね~。どうぞ」


よりによって、あたしのクラスに!?


あたしが喉を鳴らすのと同時に、ガララっ、とドアが開き、みんながそこに注目する。


あぁうわぁっ!金髪見えた!絶対そうだ!


「黒崎くん兄弟です~。実は双子なんですね」


しかも二人セットだぁぁ!

当然だけど教室がざわついた。

だってこんなイケメンが二人、しかも双子がいるんだから。


「じゃあ二人とも、自己紹介をしてね」

「…」


二人は顔を見合わせ、終始無言。

だよね、あの二人のあの性格は昨日でも充分わかったし。


「叶音」


まぁでも、この状況で自己紹介しないわけにもいかないし、どうするのかなぁ。


「叶音」


ぼけーー…


「橘 叶音!」


「はぇ!?」


がたたんっ、とわりと派手な音を立てて立ち上がってしまった。