「まず始めに、俺たちは…」


…な、なんでそこで口ごもるのですか。

怖いな、何の話?

真は紅茶を一口飲むと、あたしの目を見つめて言った。
 

「俺たちは、バンパイアのハーフなんだ」


…………………………………

………………………。



「あ、っと、紅茶のおかわりいります?」

「てめぇ、聞かなかったことにすんなや」

「いてっ」


ばしんっと容赦なく飛んできた魁くんの手を頭で受け止めてしまった。

痛い。


「いや、あまりに突拍子なさすぎて」


「はは…」


ポリポリ、と頬をかく真さんを見つめる。

いや、いたって普通の人間に見える。


ば、バンパイア?


「まぁ、最初から信じろって言うほうが無理だよね」


「あぁ、はぁ、まぁ…」


バンパイアって、存在したんだ…


「ん~、でも本当なんだよね~」

今度は柚さんまで。

みんなであたしを騙そうとしてるわけじゃないのかな?


「ちっ、めんどくせぇな」


後ろで魁くんが呟く。