最近のあたしは毎日、いつも鷹巳と待ち合わせしていた場所に通っている。


おかげで学校は不登校気味。
でももう、どうでもよくなってしまった。
たいして頭も良くはなかったし…。




鷹巳を待っているのか?
そう聞かれると半々だろう。

待っている…
でも来ないと知っているんだ。
だって、来るはずはないから。

それでも足が向いてしまって…あたしの行きたい場所はそこしかなかった。


思い出していた。
鷹巳と出会った時からの、ほんのわずかな期間を。
ただ、それだけで…
幸せと辛さが同時にやってくる。


それでもそれを何度も繰り返し、あたしは毎日あいつを思い出すことにしていた。



そうしないと…
あたしの心の中からも
“梶貴鷹巳”という人物は
消えていってしまいそうだった。