背中に当たる壁が冷たい…。 まるで、喧嘩が終わった後みたいだ……。 あの、虚無感……。 今思えば…俺は、本当に腐った奴だったなと、思い知る…。 馬鹿みたいに、世の中全てのものが嫌で仕方なかった……。 不意に右手を眺める。 今は、肌色のこの手のひらも、 あの頃は毎日真っ赤に染めていた――…。