「…鈴実?」 落ち着いた声がする。 どこかで聞いた声だった… 『…柚?』 手すりに腕を置いて 空を眺めていた柚が、鈴実を見た 「どうしたの?」 『…ずっと、二人で話したかった…』 「…なんか、言いたい事?」 穏やかな顔だった。 あの、春に友達になった〝柚〟の顔だった