乗換駅に着いたのは19時35分。
乗り換るべき電車は19分50分発。
待ち時間は――25分?
平日の東京でこの間隔はあり得ない。
ただ突っ立って待つのは辛いので駅内の書店で立ち読むことに。

文庫本を13ページほど流し読んだところで時計を見てみると48分!?
発車2分前じゃないか!
階段を3段飛ばしでホームへ降りるとちょうど電車が到着したところだった。
間に合った。
乗り過ごしたらまた東京ではあり得ない待ち時間を食らうはめになるところだった。

座席に座り、ふと思い返してみた。
13ページをさらっと読んだだけで25分?
いや、おかしい。
そんなに時間がかかるものか……?
そして――よくよく考えてみれば、待ち時間は15分だった。
恥ずかしむべき計算違い。
いかんいかん。
ボケた頭を引き締めよう。

さて、ここまでの数字を全て足すと108である。
ちょうど煩悩との数と同じだ。
……いま「すげー」とか思った人は、きっと人柄は良いけど頭が悪い。
正解は267。
何の意味もない数字。
人は「○○の数」などと関連づけて言われると鵜呑みにしやすい。
私も同類だ――いや、鵜の仲間という意味ではなく。