そんな中、香波がなっちゃんを教室から連れ出したのだ。

その日、香波は機嫌が悪かった。

なんでも、体育の時間、跳び箱に失敗して、ずてーんと大きく音をたてて転んでしまったからだ。

幸い、本人は無傷のようで、みんなが安堵したと思ったら、クラスの男子が、大笑いしはじめたのだ。

女子は、怖くて笑うのを耐えて、男子を注意をしてた。

けれど、笑い声はとまる気配さえない。