キミとの帰り道



2人とも行き先の違う電車に乗るから、駅の改札を通って、ここで速水くんとお別れかぁ。


同じクラスなんだから、明日学校でまた会えるのに。


なんでだろう。今日は、速水くんと別れるのがすごく名残惜しい。


まだ、『バイバイ』って言いたくない。


速水くんと、もっと一緒にいたい──。


でも、速水くんにそんなこと言えない。


今はテスト前だし、速水くんに迷惑はかけられない。だから……


「じゃあ、ね、速水くん。また明日、学校でね」


そう笑顔で言って、私が乗り場へと続く階段に向かって、歩き出そうとしたとき──。