再生ボタンを押すと、ゆっくり秒数が動いて行く。
何回も聞いている俺は、大体の内容を覚えている。
「……そっ…んな………」
マナは両手を震わせながら、同じく震えた声を発した。
俺は今にも壊れそうなその身を、強く抱きしめた。
「ごめん…マナっ……!」
愛し方も、愛され方も知らなかった俺は。
こんな形でしか、愛しい人を救うことが出来なかった。
もし裁判になったら、俺は間違いなく死刑になる。
別にそれでも良い。
だけど俺が死ぬことで、マナが哀しむんじゃないか。
マナが哀しむことが、俺には1番苦しむ罰だった。
マナには泣かないでほしい。
歪んだ愛し方しか出来ない俺じゃなく、他に良い人を作って。
幸せになってほしかった。
「マナ…………」
キミは俺が今までの人生で1番愛した、女だから。