払われた手を宙でぷらぷら浮かせながら、
そのクラスメイトはニッと笑った。
「知ってんだぜ?オレ」
「は?」
「カケル、マナちゃんと別れて、寂しそうだったもんなー」
……え?
「んなわけねーだろ、アホ。
俺はマナと別れても、何も思ってねぇよ。
そんな俺は未練がましくねぇよ」
「そういやさ」
「俺の話聞けよ」
「エリちゃん殺した奴、まだ捕まんねぇのかな」
男子にとってそれは、何気なく言った言葉だったと思う。
だけど、確実に。
――空気が、ピシッと凍った。
冬じゃないのに、冷たい風が吹く。
「…………」
氷以上に冷たい眼差しで、
カケルは男子を睨みつけていた。


