振り向くとそこには、
恐ろしいほどの笑みを浮かべるカケルがいた。
――まるで仮面を被ったかのような、完璧な笑顔。
「何勝手に見ているの?マナ」
「あっと……ごめんなさい」
「気になった?」
「ご…ごめんなさい」
「謝らなくて良いよ。返してくれたらね」
スッと手を伸ばすカケル。
前は手を繋ぐ時に出されていた手。
繋ぐと感じる温もりが嬉しくて。
喜んで手を握り返していた。
だけど今は…
何だか怖くて…手を伸ばせない。
早く…プレーヤーを返さなくちゃいけないのに。
震えて…動けない。
まるで、金縛りにあったかのよう。
頭では返さなくちゃって叫んでいるのに。
行動に移せない。
「あっ…あっ……えっ…」
よくわからない言葉ばかり紡ぎ出された。


