「これ……食べるか?」
泣き止んだあたしに、
カケルはあたしの大好きなどら焼きを渡してくれた。
近所にある和菓子屋さんのどら焼き。
あたしは鼻声で頷き、ありがたく受け取った。
「マナ。
暫く学校休んでも大丈夫だからな?
ノートのこととかは心配するな。
俺が貸してやるから。
それに先生たちも理解してくれているよ」
「ごめっ…んね……」
「しょうがねぇよ。
いきなりあんなことになったんだもんな。
落ち着いたら、
また俺の好きな顔で笑ってほしい。
その方が、俺も嬉しいし、
何よりエリちゃんが喜ぶと思うんだ。
エリちゃん、マナのこと大好きだったもんな?」
――そう。
エリはあたしが苦しんでいると、すぐにわかってくれた。
大事な、かけがえのない、失えない親友だった。
「うんっ……!」
あたしは涙と鼻水でグシャグシャであろう顔で笑った。
きっと汚い顔だったけど、カケルは笑ってくれた。
そしてもう1度、あたしを抱きしめてくれた。
「大好きだ、マナ」
優しいキスも、落としてくれた。


