私は、押さえつけるハル君を思い切り蹴った。 私が恐れているそれを 思い切り拒んだ。 私たちは お互いがお互いを欲しているのに…… どうして、私は ハル君の部屋を出るんだろう? どうして、こんなに辛いのだろう? 私はいったい、何を信じてきたんだろう? ……こわい、こわいよ。 「……助けて、入家君……、助けて!」 部屋を出た私は、家には帰らなかった。