「美冬ちゃん、おこってる?」
「え、怒ってないよ。」
いかんいかん、いつの間にかまた眉間に皺が寄ってたみたい。
隣でアイスを食べる美紅に笑って見せた。
「温泉、気持ち良かったね。」
「うん。みく、毎日あんなおっきいお風呂はいりたい。」
「あはは。そうだねー。」
この日は美紅と温泉地へ行って、いろんな温泉に入った。
お昼はお蕎麦を食べて、抹茶と和菓子も食べたりして楽しんだ。
抹茶の苦味に美紅はイヤーな顔をしながら、甘い和菓子でふにゃふにゃに喜んでいた。
そうやって島根のいろんな所を楽しんで、コテージへ帰ってきた。
「雨ふってるね。」
「そうだね、天気予報、台風がくるって言ってたもんねぇ。」
「こわいね。」
夕方降りだした雨を窓から眺めていた美紅が不安そうに私を見上げた。
今は私が美紅の保護者なんだから、しっかりしなきゃ。
「大丈夫だよ。
てるてる坊主作ってお願いしよっか。」
「うん。作るっ。」
それから二人でてるてる坊主を作って窓の上に吊るした。
段々と雨足が強くなっていくのを窓越しに時折見ながら、今夜は美紅と簡単に夕御飯を作って食べた。
夏の終わりの夜は少し肌寒くて、山に囲まれたここは特に気温がぐっと低く感じた。
美紅とベットでくっついて眠った。
子供って体温高いって本当なんだ。
くっついた美紅は暖かくて、私が暖めてもらってるみたい。
人の温もりっていいな。
最近人の温もりに飢えていた私は、そんな風にじんわりと感じた。
隣でスースーと可愛い寝息を立てる美紅。
つられて私も眠りについた。



