「えー。あんなに、百面相してたのにーー?納得いかなーい。」
周りを少し、見渡した。
自然と、成美がいないか確認してしまっている自分がいる。
よかった……。今はちょうど、いない。
「え、えーー。まぁ、いいじゃん?こっちにも、事情というものがありますから……。」
久しぶりに話した少しの会話でさえ、嬉しいと感じてしまっている。
「でも、あんまり、そういう顔しないほうがいいよ。」
「いやいやー。わかってるよー、自分の顔がキモいことぐらいーー。」
「あのなー、そういうことじゃないんだよー。」
「え?なんか言った?」
「ううん。何でもないよ。」
私は知らない。この時龍輝が
「そんな可愛い顔するとこっちが困るんだよ」
なんて言っていたことを。
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