「どうして!? どうしてコイツなのよっ!! これと言った特徴もない、こんな平凡なやつがっ!!!」
……平凡で悪かったな、このアマが。
心の中でそんなことを言いつつ、私は冷めた目で西原のことを見ていた。
大勢で一人に暴力振って、そんなことをする人に、皐月はノコノコとついていったりしない。
仮に、どんなに可愛い子でも、そんなことをする人には、皐月は絶対に好きになんてならない。
皐月は、そんなことをするほど、落ちぶれた人間なんかじゃない。
私がそう言い返そうとした時、皐月が言った。
「俺は、性格悪いやつよりも、良くも悪くも平凡な奴のほうがいい。それに、今も昔も、俺が見ているのは夏菜だけだ。初めから俺は、そう言ったはずだけど?」
ここにいるみんなを、冷たく射るような目で見る。
「どうしてこんなやつなんか……っ」
西原の言葉に、皐月は口角を上げた。
「こんなやつだから、俺はこいつを好きになったんだ」
「……え?」
驚いて聞き返すものの、皐月はそれを無視した。


