授業の準備をして、楓と皐月に、「ほらほら〜、早く行くよー」と言うと、皐月は「そうだな」と言った。
詮索されないことに、ホッと安堵の息を漏らす。
「夏菜、大丈夫?」
楓に、ボソリとそう言われ、「え、何がー?」と、元気よく、はぐらかした。
皐月には、バレたくない……。
そんな思いで、なんでもないように振る舞ってみせた。
初めは、何かを疑うような目をしていた皐月も、私のいつも通りの姿を見て、もう既にいつも通りだった。
しかし、そうなると……
「ねぇ、私の上靴もやられてる気がするんだけど」
お昼休み。
皐月が席を外している間に、コソコソと楓に言う。
すると楓も、うんと頷いた。
「初めは夏菜のいつものアホが出たのかと思ってたけど、ワークを見ると、上靴も可能性が高いと思う」
「えっ、アホってなに!?」


