「ねぇ、楓……」
私がそう言うと、楓はコクリと頷いた。
「もしかしたら、ロッカーの中に紛れてるかもって思って見に行ったんだけど、ロッカー行く前にそれに気づいた」
楓のロッカーは、一番端っこで、一番ゴミ箱に近い。
だから、ゴミ箱の中身が見えたのだろう。
「……これ、どうしよう……」
私がそう言ったとき、後ろから声が聞こえてきた。
「なぁ、次って移動だよなって、……どうかしたのか?」
私は、捨てられていたワークを背中に隠して、皐月の質問に応える。
「あ、ホントだっ。じゃあ、三人で行こっか!」
私が、そう言うものの、皐月は、「お前、今何か隠さなかったか?」と、鋭い疑問をぶつけてきた。
「気のせいだよ」
そう言いながら笑った私は、何事もなかったかのように、皐月の隣をすり抜けて、自分の席へと向かった。


