「ハイハーイ! それはこっちにお願ーい!!」

「おいおい、それはココでよくね?」

「これ一緒に運ぼっか!」


早くも林間学校2日目の夕方。

今はみんなで、キャンプファイヤーの準備中。


「あー、由希! それはここだよー!」

「おーおー、ソコだったのね」


私は、班長様(美咲)の指示を聞きながら動く。


「いやー、組み立てるの大変だよねー。
マジ死ぬわ」


そう言いながら、ダルそうに動く礼央くんに、美咲は悪魔のスマイルをひとつ。

そして‥‥‥


「佐伯ぃ〜、お前はまだまだ、やる事が
あ・る・よ・な?」


‥‥‥言い方は、素晴らしくねちっこいが、顔はあくまでも笑顔だ。

‥‥‥ただ‥‥、ただちょっとだけ、いつもの美咲に黒さを足しているだけさ。


そんな美咲を見て、礼央くんは後ずさる。


ニコニコニコ〜


美咲の笑顔にどんどん後ずさっていく礼央くん。


「み、みさちゃん? その笑顔、
すごく怖いからやめよ? な? な??」


そう言いながら下がっているときだ。


ドンッ!


「痛ぇっ!」

「いっつ――‥‥‥」