ここにいても暇だな‥‥‥。
そう思った私は、
「よし、ちょっと散歩しよっかな」
美咲を起こさないように、コッソリ部屋を出たのだった‥‥‥。
明かりのない旅館は、全く知らないところに来たような錯覚を起こしてしまう。
小さな窓から入ってくる月明かりを頼りに、私は、この旅館の中心にあるホールへと、足を進ませていった。
暗すぎて、転びそうになりながらも、なんとかホールへ着いた。
‥‥ガサガサッ
「‥‥‥!?」
ホールにはソファーがいくつか置かれている。
そのひとつから、微かに物音が聞こえてきたのだった。
―――‥‥ガサガサッ
「‥‥う‥っ!!」
私はつい、声を漏らしてしまった。
真っ暗でも、目が慣れてくると微かに辺りが見えてくる。
物音が聞こえるソファーに、人影が‥‥‥。
Noォォオオオオ!!!
アカンやつやアカンやつやアカンやつや!!
私は本能的に危ないと感じ、すぐさま来た道を戻ろうとした。


