‥‥‥どうしたら思い出せるのか‥‥。


それを考えていたのである。


「ゔぅ〜」

「‥‥‥本当に大丈夫?」


優太が眉をしかめながら、私の顔を覗き込んできた時だった。


「あぁぁあああ!!」

「‥‥‥あ?」

「いいこと思いついた!」


優太が頭に疑問符を並べている。

そんな中、私の顔は冴え渡り、キラキラした瞳で、ガシっと優太の手を両手で掴んだ。


「‥‥‥え?」

「次の日曜日、優太の家に行くね!」

「‥‥‥は?」


我ながら、名案だと思うんだけど!


「ごめん、由希?
何がどうなってそうなったのかな?」


私はひとりニコニコしながら、図書室の本の整理をしつつ、こう言った。


「私、どんなに頑張っても、
思い出してるのが
美涼姉ちゃんたちの事だけなんだよね」

「‥‥うん‥」


優太は、少し切なそうに目を伏せた。

私は、本棚の方に向けていた目線を、優太の方へ向けて言った。