家に帰ると、「あ、父さん。おかえりなさい」という声が聞こえ、美涼が、少し暗い顔をして出迎えてくれた。
「どうしたんだ」
私がそう言うと、美涼は「優太の機嫌が悪くって……。何も話してくれないの。せっかくの誕生日なのに……」と、そう言った。
「優太、機嫌が悪いのか」
私は、それに驚いた。
基本的に、優太はいつもニコニコしている。
機嫌が悪くてむくれている時などないくらいに、ニコニコしている。
そんなところが、優美とそっくりで、見ているこっちも、穏やかになっていく。
そんな優太が……。
珍しいこともあるものだと、私はその時、大して何も思わなかった。


