「今日は、優太の誕生日ですよね。優太の誕生日と、優美さんの……、優太のお母さんの命日がかぶっているという事は、美涼姉ちゃんから、さっき聞きました」


私がそう言うと、聖さんは、静かに頷いた。


「優太が言ってました。俺は、生まれることを望まれていなかったって」

「何を言っているんだ、そんな事は……」


聖さんは、驚いたような顔をした。

それに対して、私は、コクリと頷く。


「美涼姉ちゃんの話を聞いて、皆が望んでいたってことは、しっかりと分かりました」


その言葉に、聖さんは、少しホッとしたような顔をした。


「だけど……」


私は、未だに引っかかっていることを口にする。


「それなら、どうして、優太の誕生日を、祝ってあげないんですか?」