そして時間は過ぎ、冬。
赤ちゃんが生まれる日が来た。
私は、祈っているだけだった。
今の自分には、何もできないから。
……一週間前。
私は、父さんから言われた。
『優美は、もうダメかもしれない……』
そんなの嘘だって言いたかった。
また、戻ってきてくれるでしょって言いたかった。
だけど……
あんな悲しそうな顔をする父さんを前に、出てきかけた言葉たちは、全部どこかへと、飛んでいってしまった。
「母さん……」
私は、父さんからそれを聞いた時、私は決めた。
母さんがどうなろうと、絶対に泣かないって。
母さんは、自分がどうなろうと、自然分娩をやめなかった。
悲しい顔をするよりも、嬉しい顔をしていたほうが、きっと、嬉しいはずだ。
だから私は……
泣かない。


