「なん‥‥なの‥‥‥?」


今の状況に頭がついていけない。

私の掠れた声が、雑踏に紛れて消えていくだけだった。


「とりあえず‥‥落ち着こう‥‥‥」


私は下を向き、大きく深呼吸をする。


そろそろ美涼姉ちゃんのところへ行こうと、再び前へと向き直った時‥‥‥。


「‥‥‥っ‥‥!!」


私の目に飛び込んできた光景に、再び体の自由がきかなくなった。


優太が、彼女のことを待ちながら見ているのは、女性物のアクセサリー。


ブレスレットのコーナーを見ているみたいで、1つのブレスレットを手にとってずっと眺めている。