「ふざけんじゃないわよ…狭蘭もあんたもらみんな貶めてやるわ!」
そう言い真由は教室から飛び出して行った。
「愛ちゃんをもう一度観れるなんて。
思ってもみなかったよ。
君の声は一度聞いたら頭から離れないからね」
母さんからいい遺伝を受け継いだのか、前は「美声の妖精」とか言われてた。
恥ずかしいけど…。
「両親が居なくなり芸能界に居るのが辛かったんです。
でも、母がいたこの世界で生きていきたいと思いました。」
「そうか。事務所などは私の方で話を付けるよ。
撮影はまた後ほどしよう。
あの子のワガママでこんな人の居るところで撮るハメになったんだが、ちゃんと確保してくるな。」
「はい。
ありがとうございます。」
私はお辞儀して微笑んだ。

