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「華美、帰ろうぜ」



放課後、優が微笑んで言った。



「うんっ…」



うなずいて、心にモヤがかかるのを感じる。



それを振り払うように、私は急いで言葉をつなげる。



「あっ!そうだ、今日はドーナツ食べに行こうよ!ちょっと遠回りしたところに、お店あったよね」




「お、おう…!行こう」



突然の私の提案に、一瞬びっくりしながら優がうなずく。


食べ物を食べに行く提案しか浮かんでこなくてごめんね。


へへっと笑ってから、優の腕に自分の腕を絡めて、優を見上げた。



その行動に、優が困惑したような声を出す。



「は、華美…?」



「もちろん、優のおごりねっ」



「…そーゆ〜ことかよ」



ちっと舌打ちをして、私を冷めた目で見下ろしてきた優。




私はぱっと腕をほどいて、今度は優に横から突進する。




「華美…っ」



優がいい加減にしろ、みたいな雰囲気で私を跳ね返す。



「のわっ…!…へへっ、笑って?」




「華美…」



優の苦しそうな表情。