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今日は放課後デートということで、クレープを食べに来た。


2つ分買って、目の前の公園のベンチに座る優の方へと向かう。


優は、自分のケータイに保存してある心ちゃんの写真を見ていた。



「優…」


そっと声をかけると、びくりと肩を震わせてからゆっくりと私の方を見た。


そして、私の手にあるクレープを見てから、


「…あ、わり、ありがとな」



と言って、クレープを受け取りながら無理矢理につくった笑顔だけど、瞳は悲しげなまま。



そんな顔、しないで…。



私は、優のそんな顔がみたくてニセモノの彼女になったわけじゃない。



優の、笑った顔が見たくて…優を救いたくて彼女になったのに。



クレープは優の大好物だからって思ったんだけど…これじゃあ、失敗だ…。



もっと、頑張らなきゃ。




はやく、心ちゃんを忘れられるように…。




私はきゅっと唇を結んだ。




優が、心から楽しめるように、頑張らないと。