「あっ、いや、そのー…冗談だよっ？びっくりした？！…なーんて…へへっ…」


言いながら優の顔色を伺うが、さっきと全く変わらない表情に、私はそっと苦笑いしたまま目線を下にやった。


「じゃあ…」


しばらくして、優がうつろな目で私に問いかけた。


「…俺の、彼女になるか？」


「え…」



なんで、そんなこと…。



すぐに首を振ってそんな思いを振り払う。




「…うん。私が優の彼女になってあげる…」




だって、優が今にも壊れてしまいそうなほど、小さく見えたから。



代わりの彼女になったら、優の元気を取り戻せるかもしれない。



私が心ちゃんの代わりになれば…。



そう思って私は、自ら〝仮〟の彼女になることを選んだ。


こんなにすんなりと“優の彼女”になれちゃうんだ…。と、心の中で呟いた。