「母さんの趣味なんだよ。飾り付けとか本気でやるんだ」
優はため息まじりに答えて、玄関に上がる。
そういえば、ハロウィンの時期の優の家もすごかったな。
クリスマスパーティーも、雰囲気のある優の家で毎年やってるし…。
去年はここまで凝ってはなかったんだけど…。
今年はすごいね。
「何突っ立ってんだよ。上がれ」
「わ 分かってるし!」
私は急いで靴を脱いだ。
パタン…
優の部屋の中に入ると、私は適当な場所を見つけて、そこに座った。
私は小さいテーブルの前に座って、優はテーブル近くの床のマットにあぐらをかいた。
どことなく、しばらく静かにしていた。
最初に沈黙を破ったのは優。
「…あのさあ、俺…
心と別れた」