セカンドパートナー


 って、私は、美季にどんな返答を期待していたんだろう。迫り来る自分の気持ちに、冷や汗が出る。

 『縁がなかった』

 美季のセリフに思った以上に打ちのめされた。

 並河君とは縁がなかった。やっぱり、そう思うべきなんだろうか。

 私は更に質問した。

《じゃあ、過去に大好きだった人と、今もし再会したら?》

 5分ほどして、美季の返信が来た。

《再会したの?》

 逆に訊(き)かれ、スマホを落としてしまいそうになった。

 鋭い……! さすが美季だ。LINE越しでもこっちの心の内を読んでいる。

 昔からそうだ。ハッキリ言葉にできない私の気持ちを、美季は的確に察してくれる。そういうところに救われ、甘えてしまったことも多い。

 でも、並河君とのことを正直に話すのはためらわれた。

 美季は、浮気や不倫といった不誠実な行いをする人にとても厳しい。

 中学生の頃「カッコイイ男子なら誰でもいい!」と言い、中身を知ろうとせず軽々しく色んな人と二股交際する同級生の女子がいたのだけど、その子に対しても容赦なく冷ややかな目を向け批判していた。