「そうなんだよ。今もそう。私達の関係知っても軽蔑とかせず優しく見守ってくれてる。大切な友達なのに、あの時は羽留のしてくれてることに気付けなかった」
「それだけ仲が良い証拠だな、詩織と久野さんは。相手に近い分、視界が歪むこともある。人なら誰にでもあることだ。当然俺も」
並河君は励ますように私の背中を撫でた。
「詩織の友達だから雑な接し方はできなかった。これからも久野さんに会ったらそういう言動すると思うけど、心は詩織を見てるから」
「大丈夫だよ。さすがにもう、そういうヤキモチは妬かない。あの時は羽留のことがうらやましかったっていうのもあるんだよ。ピアノや絵とか、そういう、私が触れたことのない分野で奏詩と共通の話題があって……。私には誇れるものなんて何もなかったから」
それは今でもそう。
「そんなことないよ。詩織の写真は見る人の心に残る。何かのコンクールに応募したら、またひとつ自信につながるかもな」
応募するなんて、今まで考えたことがなかった。写真は好きだし、うまく撮れたらどこかへ応募してみるのもいいかもしれない。並河君が褒めてくれるなら。
「それに、共通の話題がないことはあまり問題じゃない。詩織とは考え方や感じ方が似てる。好きなことも、苦手なことも。高校の時にもさ……」


