セカンドパートナー


「結婚してる詩織に、そんなこと面と向かって言えなかったしな。……友達も恋人も、きっとそういう感じ。自分にとって心底必要な相手とは、離れてる間も切れることなく縁が続いてると思う。言葉の上では別れていたのだとしても」

 そうかもしれない。

 前なら「そんな言葉は空想に過ぎない」と否定しただろうけど、今なら素直に信じられる。

 美季とも、いつかまた、どこかでーー。

 そう思うだけで、元気が出た。

「並河君に話してよかった。ありがとう」
「いいよ。詩織が元気になれたなら嬉しい」
「並河君は光のような存在だね。私は闇」
「詩織が闇なら、俺は対になる光でありたい。高校の時からそう思ってる」
「……うん」

 会話が途切れ、静かになった。筆がキャンバスをこする音が響き、耳に心地いい。

「詩織、綺麗だな」
「並河君もかっこいいよ」
「ありがとう。今はホントかっこ悪いけどな」
「そんなことないよ」

 シチュエーションがシチュエーション。静寂が照れくさくて、私達はどちらかともなく言葉を交わした。裸を意識して、いつもより会話がぎこちない。

 モデルとして服を脱いだはずなのに、体を重ねる以上にお互いの心を見せ合う効果があった。今まで体験したことのない、不思議な感覚。