セカンドパートナー


 私の父と比べたら、優人はとても立派だ。

 働く中で目上の人に頭を下げることを嫌っていた父は、昇進試験や資格取得の努力もせず万年平社員だった。若いうちはそれでもやっていけるかもしれないが、妻と子供のいる男には少ない収入だった。

 成長していく私に年々お金がかかるようになると、父はお金のことに過敏になり苛立ちを物にぶつけ、それでも発散できないと母や私に暴力を振るった。

 風邪を引いて病院へ行く時にも気を遣ったし、学校で使う最低限の物にすら出費を渋られた。父のイライラに感化されたのか、母も私に冷たかった。

『アンタはホント金がかかる娘だね。何で私がこんなことで悩まなきゃいけないの?』

 それが母の口癖だった。昔ピアノをやりたいとお願いした時以来、欲しい物があっても言わないようにした。お金をほしがったこともない。高校生になりバイトを始めると、親は私のお金をアテにしだした。

 そういう家庭で育ったのは、私だけではない。大学の時同じ寮にいた先輩が似たような境遇にあったし、派遣先で働いた時もそういう人はいた。

 父だけではない。人は根本的に弱い生き物なんだなと思った。もちろん私を含めて。

 そういうことを考えると、優人はよくやってくれていると思う。会社でのグチも家に持ち込まないし、適度に友達と遊び楽しむ場を持っている。

 子供が生まれたら、優人はきっとよき父親になるだろう。

「優人には感謝してるよ。派遣切りにあって私の収入が減った時も、ちっとも責めなかったよね。むしろ、たくさん助けてくれた。本当にありがたいと思ってる」

 でも、それと、感情の問題は別。