セカンドパートナー


「そんなの信じられない! あの写真は何? 分かった……。詩織さんにそそのかされたんだ! そうでしょ? その女の家庭も壊してやる! 私の幸せ壊したんだから当然でしょ!?」

 秋月さんは半狂乱になり私につかみかかろうとした。並河君がそれを止め、優人も警戒に満ちた顔で私を背中に隠した。

 並河君は落ち着いていた。

「詩織に手を出したら、一生軽蔑する。彼女は関係ない。俺の気持ちの問題だ」
「……っ!」
「鍋に誘ったのはこっちだ。中川さん夫婦には最後まで楽しんでもらいたかった」
「……本当? だったら、結婚やめるなんて言わないでよ!」
「はじめから言っただろ。俺には忘れられない人がいて、その人とはもう二度とつながることはないって。だから俺もひとりを貫くことにした。傷つけたことは謝る。本当にごめん……。それしか言えない」


 並河君にすがりついて泣く秋月さんを、優人と私はただただ見ていた。あの二人の別れに私は無関係ではないのに、すっかり傍観者の気分だった。秋月さんに同情する気にもなれない。

 先に罠を仕掛けてきたのは秋月さんだ。鍋の最中、嫌なことをたくさん言われた。最後は少し言い返したけど、それでは足りないくらいだ。思い通りにことが運ばなかったからって、その文句まで聞かされたくない。

 ここまで冷たい気持ちになれるのも、並河君との誓いがあるから。今はもう何もこわくない。