セカンドパートナー


 並河君となら、よきセカンドパートナーになれる。

 渡された合鍵が心を守ってくれるお守りのように思えた。もう、ひとりじゃない。何があっても怖くない。

 今日から始まる並河君との新しい関係が、これからの私達の支えになると信じた。


 セカンドパートナーとしての関係を維持し、将来正式に結婚するため、私達はいくつか約束事を作り、必ず守ろうと誓い合った。

 デートはするけど、私や優人の関係者に見られないようなるべく遠出をする。マンション以外の場所では手をつないだりキスをしたりしない。体の関係は一切持たない。

 そして、もっとも大切な約束。

 この関係は、よほど信用できる友達以外には決して話さない。誰にも秘密にするーー。


 セカンドパートナーは不倫とは違う。しかし、そういう関係に理解がある人はまだまだ少ないとネットに書いてあった。むしろ反対意見の方が多いだろうと推測されている、とも。

 お互いの配偶者公認でセカンドパートナーを持つ既婚者同士のカップルも存在するらしいが、そういうパターンは珍しいと思った方がいい。優人は納得しないだろう。

 ただでさえ、結婚しているのに配偶者以外の異性と出歩くなど問題があると非難する傾向は、世代を問わず男女共にまだまだ根強い。配偶者に訴えられれば、不貞行為がないセカンドパートナーでも50万円以下の慰謝料を請求される。

 一時期、不倫もののドラマや小説が流行ったことがある。今も昔も好きな人は好きだろうジャンル。それもきっと、こういう現実のせいだ。

 世の中の皆が皆気ままに恋ができるのなら、誰も創作物など楽しみはしない。