セカンドパートナー


 たとえ優人と別れても、私は再婚をしたくない。漠然とそう思ってきた。その最大の理由は、義親との関係に悩みたくないから。

 結婚生活は夫婦同士の仲が良ければいい。相手の親とどうなろうが関係ない。独身の頃はそういう気持ちもあったけど、ここ10年でその考えは打ち砕かれた。

 親がどういう人か。干渉する人かしない人か。心地いい距離感で付き合える人か。そこも重要。

 結婚前、優人の親に会ったのは4回くらいだった。もっと会って義親の性格を見極めるべきだったと何度も後悔した。

「もしそうなったら、絶対放置したりしない。親を説得するなり詩織を励ますなり、物事が良くなるようにできることをする」

 並河君ならそう言ってくれるって予想してた。だって彼は、昔からそう。私の心のほころびを見逃したことがなかった。

「それでもダメなら、俺の親だからって無理に付き合うことないよ。お互い自立した大人だし。縁があって家族になるとはいえ、そこは人と人だから当然相性もある。無理したらよくない。
 それに、家族って、形でなるものじゃなくて、一緒に過ごした時間の内容で絆の強さが決まってくるものだと思ってる」

 ……なんだろう。すごい揺れる。はじめから並河君と結婚したかった。

「それがパートナーのつとめ。そう思ってる。だから詩織も、俺だけに夢中になればいい。セカンドとはいえ、心は一足先に結婚するんだから」

 頭の中だけで考えていたのと違う。ほしかった言葉をそうやって口にされると、幸せのあまりめまいがしそうだった。

「アピールタイム終わり!」

 並河君は言い、再び私を抱き寄せた。