セカンドパートナー


 体を離すと、並河君は私の両手を自分の両手で包み込むようににぎり、視線を合わせた。まっすぐなその目に心をつかまれる。

「何年でも待ってるから。いつか俺の正式なパートナーになってください」
「待つって、セカンドパートナーやりながら…? 何年先になるか分からないよ?」

 縁起でもない話だけど、優人が亡くなるまで並河君と再婚はできない。それまで並河君はひとりで私を待たなければならない。

「いいよ。詩織の気持ちが俺にあるんだから、今までとは違う。全然つらくない」
「でも、でも、その頃には私おばあさんになってるかもしれないよ? 高校の時みたいに肌も綺麗じゃなくなってる……」

 実際、今でも日々肌の衰えを感じているし、年々アンチエイジングという言葉に弱くなっている。

 若い子と同じようにはいかなくても、できるだけ今の状態をキープできるよう努力している。それでも、それがどこまで報われているかは分からない。

「服だって、今は許されるものがだんだん似合わなくなっていくよ? それでも変わらず好きでいられる? 待ってるなんて言える? それに、並河君みたいに魅力的な人、他の女性が放っておかない」

 将来若い子に奪われる、なんて、みじめな思いはしたくない。

「そんな安い男じゃないよ、俺は」
「それはそうだけど、不安なの!」

 自分に自信がないから。若さを失ったら、残るものは何もない。私は将来そんな人間になってしまう気がする。