セカンドパートナー


 だから、驚いた。

 まさか、並河君の口からその言葉が出てくるとは思わなかったから。

「聞いたことはあるけど、そんなの、私達がなれるのかな? ドラマみたいな話だよね」
「なれるよ。どんなドラマより濃密なものにしてみせる」
「並河君……。私だって、それは、なれたら嬉しいけど……」

 私達はキスをした。セカンドパートナーの規則(?)を守っている。

 しかし、セカンドパートナーでキスはご法度と考える人もいる。だとすると、私達はすでに規則からはみ出してしまっているのではないだろうか。

「それに、セカンドパートナーは既婚者同士がなるもので、独身男性が望んでなるパターンってすごく少ないらしいよ。ネットの記事に書いてあった……」
「心配してくれてる?」
「するよ……。私が優人といる時、並河君はひとりだよ? 普通の彼氏彼女みたく好きな時に会えるとは限らない。そんなの寂しくない?」

 並河君に、私と恋愛したことを後悔してほしくなかった。

 小さく笑い、並河君は自信を持って答えた。

「何年そういう孤独の中にいたと思ってるの? それに、寂しさを感じない愛なんてない。どんな関係だって寂しさはつきまとう。たとえ俺達が最初から結婚してたとしても。そうだろ?」
「そうかもしれないけど……」

 私だけがいいとこ取り。セカンドパートナーはそんな感じがする。並河君の時間をいたずらに浪費させるような気がする。