セカンドパートナー


 男の人によって抱き方は違ったし自分勝手な触れ方をする人もいたけど、そういう人とはすぐに別れた。並河君に近い感じの相手だけ、無意識のうちに選んでいたのかもしれない。

 相手のことなど見ず並河君の影を重ね、幻に喜び、夢中になった。

 一人の男性に執着せず、別れたらすぐ他の誰かと付き合う。そんな私を軽い女だと思う人も少なからずいただろう。

 並河君とのメールではいつまでも純情な自分でいた。実際の姿を隠して……。
 
 並河君も、同じだったんだーー。


 そういう経験をして思うことがある。そんな経験は人生において何の足しにもならないし誇りでもない。自分をすり減らしていくだけ。

 本当に大切な人と触れ合うことこそ、女の幸せだ。そして、それは男性もきっと同じ。

 自分だけを愛してくれる相手こそ、最高の相手。

 そして、並河君も、それはとっくの昔に理解している。


 33年という、長いようで短い人生。

 仮に70歳まで生きるとして、もし私が並河君の手を取れば、残り約半分の彼の人生、すり減らす苦痛ばかり味わわせることになる。

 両想いになって初めて思う。共にいることで並河君を幸せにしたい。でも、それは、今の私にはできないこと。

 離婚しない限り、並河君と愛し合うことはできない。

 不倫はできない。させたくない。

 既婚者のクセに一線を越えてしまったら、今ある美しい恋も、綺麗な思い出も、ドロドロに汚れてしまう。その汚れは、一度付いてしまえば何をしても取れないだろう。

 私にそういうことをさせたくない。前に並河君がそう言った理由が分かった。


 これが現実。