「二人とも全然飲んでなくない? はい、飲んで飲んで〜」
両手に異なるお酒の瓶を持ち、二人のグラスに同時に注いだ。
「ありがとう、あまちゃん」
「ありがと。お酒もいいけど、こっちも食べな」
並河君は、蟹の中でも食べやすい部分を取ってくれる。えのきや白菜も私の取り皿に盛り付けてくれた。
優しいなぁ、並河君。優人と違って気が利く。昔からそう。こういうところ、お兄さんぽくてホント好き。
いい感じに酔ってきた。いいぞいいぞ。この場を楽しめる気持ちになれ。早く。
「奏詩、旦那さんの役目取っちゃダメだよ〜。ね、優人さん?」
何かを手にし、秋月さんが奥の部屋から戻ってきた。いつの間にか優人に対しても気さくな口調になっているのが彼女らしいと思った。
「大丈夫ですよ、俺は気にならないんで」
優人は優人で、愛想よく秋月さんに答える。面白くないけど、気にしないようにした。
「詩織さん、優人さん、これ、見て?」
秋月さんが見せてきた物を見て、心臓が飛び出しそうになった。
それは、高校時代に私が並河君にあげた何十枚もの写真だった。これを見せるために、秋月さんはわざわざ席を離れたのだ。


