セカンドパートナー


 複雑な気分でいると、男性二人は挨拶をした。

「こんばんは。初めまして。並河奏詩です。詩織さんとは高校の同級生なんですよ」
「はい、存じております。中川優人です。今日はお招き頂きありがとうございます」
「こちらこそわざわざありがとうございます。そちら、持ちますよ」

 並河君はスマートな仕草で優人が持っていたお酒入りの紙袋を受け取った。

 その姿にうっかり見とれる。そして、並河君が私を呼び捨てしなかったことに寂しさを感じた。優人への挨拶だから当然なんだけど、知らない人みたい……。

「初めまして。秋月香織です。ご存知かもしれませんが、詩織さんには教室でいつも良くして頂いているんです」

 並河君に寄り添うように立ち、秋月さんは優人に向け軽く頭を下げた。書道教室の時も綺麗な服を着ていて目を引くけど、それとは別の方向で今日は気合いが入っている。

 並河君も、昔と変わらず服のセンスがいい。芸術を生業にしている人はそういう感性も高いのかもしれない。

 お似合いの二人だ……。圧倒される。

「詩織さん、今日は来てくれてありがとう。かたい挨拶は抜きにして、今夜は楽しみましょう? 詩織さんの旦那さんも、さあ」

 並河君に目配せすると、秋月さんはさりげなく優人の腕に触れて階段の方に誘導した。

 優人も、秋月さんの接触に戸惑いつつも拒絶することなくにこにこして案内を受けている。二の腕触られてデレデレして、私以外には興味ないって言ってなかったっけ?

 秋月さんも秋月さんだ。人の旦那にそういう触り方するってどうなの。遠慮はないのか。

「もう準備はできてるの。詩織さんもどうぞ」
「はい。ありがとうございます。お邪魔します」

 笑顔でも、内心イライラしていた。