セカンドパートナー


 日も暮れ、辺りは暗くなっている。冬の夜は長い。

 準備を手伝わなきゃならないと思い、約束の時間より早めに秋月さんのアパートを訪ねた。

 駐車場からアパートまでのわずかな時間、優人は隣を歩く私のコーディネートを見て感心した。

「あまちゃん、今日はがんばってるね」

 それ、褒められてる感じがしない。

 チラシ配りとはいえ、外へ出て人としゃべることもある仕事だから普段から手は抜いてないんですけど。

 いつもならイラついて「それ、いつもがんばってないみたいに聞こえる!」と言い返すけど、

「だって、お世話になってる先生の家に行くんだから、それなりの格好してかないと」
「だね。似合ってるよ。俺は変じゃない?」
「大丈夫だよ」

 今日はなぜか優人の下手な褒め方も受け流せた。

 本当はこの日のために自分の貯金を使い、普段は買わないような高い店で新しい服を買った。思い切って化粧品もすべて新品にし、肌を綺麗にするため都度払いのエステにも行ってきた。

 並河君の目に少しでも綺麗に映りたい。ただでさえ秋月さんは美しい人だから、普段通りのオシャレやスキンケアでは見劣りするに決まってる。


 秋月さんが出てくると思ったのに、インターホンを押すと並河君が出てきた。

 仕事は休んでるって話だし、ずっとここに泊まってるのかな……。