セカンドパートナー


 千枚近くのチラシをトートバッグに入れ、自転車で市内を回る。車で移動しながら配布している人もいるけど、最近は路上駐車に厳しいので、私はあえて自転車を使っている。

 配布対象は住宅街やアパート、マンション。休憩時間も自由なので、適度に公園で休む。

 持ってきた半分以上のチラシを配り終わった頃、背もたれ付きベンチのある公園を見つけたので休むことにした。

 ボーッとしたりお茶を飲んだ後、ついクセで、空の写真を撮ってしまう。並河君に送ろうとして、あわててやめる。

 もう、こういうのいけないんだった……。

 忘れるために仕事しているのに、全然ダメ。

 スマホを両手で握りしめ、大きなため息をついた。

 想いなんて、伝えなければよかったかもしれない。そしたら、友達のままでいられた。

 ううん、並河君のためにも、これでよかったんだ。

 秋月さんはああ言ってたけど、並河君が彼女と付き合ったのも、私のことを忘れ前に進むためだったんだと思う。私が知らないだけで、並河君は過去にも色んな女性と付き合ってきたのだろう。

 彼が、また絵を描けるように祈っている。

 悲しみに満ちる青空を見上げた時、5歳くらいの男の子を連れた男性が公園に入ってきた。キャッキャと騒ぐ子供の声で気付いた。

 親子かな?

 優人がそばにいるとプレッシャーになるこの光景も、一人だと抵抗なく見れる。仕事中こうして休憩していると、場所が場所なので、ああいう親子連れをよく見る。