「うん、ちょっと寝不足で」
「無理しちゃダメだよ。今日は早めに休んだら?」
「うん、そうするね。ありがとう」
並河君との電話で泣いたからだ。
にしても、ホントに珍しい。いつもは、頭痛でも、風邪で熱があっても、私がそう言うまで優人は気付かないのに。
「そうだ。有休、来週の木曜と金曜に取れそうだよ。あまちゃんはどう?」
「大丈夫。それなら、鍋は木曜にしてもらおっか。金曜はゆっくりしたいし」
「分かった」
今やっているチラシ配りの仕事は自由にシフトを決められるので、優人の都合に合わせた。
秋月さんの誘いなんて本当は乗りたくない……。でも、並河君と会える最後の日。そう思うと参加したくなった。
「その先生んち使わせてもらうなら、鍋の材料とか飲み物って俺達で用意した方がいいんじゃない?」
「そうだね。何鍋やるかまだ決まってないし、後で秋月さんにLINEしてみるよ」
「よろしく〜。分かったらまた教えて」
優人のこういうところは、素直にすごいと思う。私側の人間関係になじもうとし、すんなり受け入れる。役目を果たそうと積極的に動く。
私には真似できない長所だと、新婚の頃は口に出して褒めていたっけ……。最近はそういうことを全然してなかった。イライラしてばかりで。


