セカンドパートナー


 暑く蒸した空気の中、草木が放つ緑の匂いと、真っ白な雲。抜けるような青空。

 ほてった体に、渇いた喉に、アイスの冷たさが気持ちいい。

「チョコもおいしそう。一口もらっていい?」
「え、でもっ……」

 間接キスになる!

 並河君はそんなこと気にしていないような顔で私の持つチョコアイスに口をつけた。その時、普段以上にお互いの距離が近づいた。

「うまいな、チョコも。バニラも食べる?」
「う、うん!」

 バニラ味もおいしそうに見え、つい、うなずいてしまう。並河君の視線を感じながら彼の持つアイスを食べるのはやっぱり恥ずかしかった。今後は二度とやらないでおこうと思った。

 田中さんともこういうことしてたのかな……。

 1年の冬、並河君が初めて付き合った彼女のことを思い出しモヤッとした。

 その日以来、夏の下校中は交互にアイスを買い合うのが習慣になった。冬には2種類の中華まんを半分ずつ分け合った。

 好きな音楽。苦手な教科。最近自分のクラスであったこと。体育祭や文化祭。羽留のピアノ。毎日毎日、話題は尽きなかった。

 クラスの違う並河君とはそういう時間にしかゆっくり話せなかったので、空の写真をあげたりも、下校中にすることが多かった。

 お返しと言い、並河君は自分の好きなアーティストの曲が入ったMD(ミニディスク)をくれた。

 バイト代を貯めてMDコンポを買い、私も並河君にオススメの曲を入れたMDをあげた。