セカンドパートナー


 突然の別れ。並河君の言葉に頭がついていかなかった。体中から力が抜けていく。

 想いを伝え合う結果になったけど、これからも気の合う友達としてメールのやり取りは続けていけるものなんだとばかり思っていたから……。

「ウソだよね…?」

 尋ねる声が震えた。手まで震えてきて、スマホを落としてしまいそうになる。

『四人での鍋が、詩織と会う最後だな』
「なにもそこまで……」
『お互い同じ気持ちと知った以上、そばにはいられない。詩織に悪いことはさせたくない』

 悪いこと。……それは不倫。

 電話の向こう。穏やかな話し方を保っていたけど、並河君は泣いているようだった。

 それでも気丈に、彼は言った。

『最後に、どうしても伝えておきたいことがある』
「何……?」
『詩織を産んでくれたこと、ご両親に感謝してるよ』
「突然だね……」
『言うタイミングなくて。詩織はあまりそういう話しなかったけど、親のことで苦しんでるのは見てて分かったし、こんなこと言ったら嫌な気持ちにさせるかと思って言わないようにしてた。でも、これが最後だから……。やっぱり伝えておきたくて』

 最後ーー。目の前が真っ暗になる。

『生まれてきてくれてありがとな、詩織。おかげで、こうして出会えた。一生分の恋ができた』