「……ごめんね。あの時、並河君の話をちゃんと聞くべきだった」
私は自分のことばかり大切にして周りが見えていなかった。情けない……。おばあさんはとてもよくしてくれたのに。
あの後、しばらく並河君からの連絡が途絶えたのも、おばあさんのことで苦しんでいたからに違いない。
並河君は悪くないけど、そんな風に亡くなったと聞いたら自分を責めてしまうのは当たり前。大切な身内を亡くしてつらいのに罪悪感まで抱えなればいけないなんて、どんなに苦しかっただろう……。
「ごめんね……」
謝る言葉と同時に、泣けてきた。
「おばあさんに、もう一度会いたかった……」
『会えるよ。おばあさんは俺達の心の中でいつも笑ってる。そう思えるまでに時間かかったけど』
「……うん」
『詩織が帰った後、おばあさん、いつも言ってたな。『あの子といると昔仲良くしてた友達と話してるみたいで落ち着く』って。可愛がってたよ』
「ありがとう……」
ただお菓子を食べてしゃべってただけなのに。そんなに会話がうまかったわけでもない。羽留との話に夢中で並河君の課題進行を邪魔してしまうこともあった。
それなのに、おばあさんはそうやって思ってくれていたんだ……。
おばあさんに優しくされ楽しい時間を過ごしたあの頃も嬉しかったけど、そのあたたかさが、今はなおさら胸にしみる。義家族との関係で荒んでいた心が、一緒に泣いているみたいだ。


