それからしばらく、並河君からの連絡は途絶えた。高校の頃、毎日のようにメールのやり取りをし、時々電話もくれたのに。
その変化に、私は激しく動揺し、苦い思いを味わった。
相手の都合を訊かず一方的に呼び出した私が悪いのかもしれない。並河君にも急用があったのかも。……なんて、その時はどうしても思えなかった。
彼は、いつもどんな時もすぐにメールの返信をしてくれたから。悩んだ時はまっさきに電話をくれたから。
絶対来てくれるという確信があったから呼び出した。なのに、実際はこれ。
私の大事な話に付き合うほど深い関係にはなりたくない。そう告げられたように感じた。
それまで仲良くしてきた日々があったからなおさら、一度の無視が大きな拒絶に見える。
並河君の本音を見た気がした。
しばらくすると、並河君からひょっこりメールが来た。大学生活が始まってすぐの頃だった。
《この間は行けなくて本当にごめんな。埋め合わせに、近いうち会いたい》
嬉しいと思ったのは一瞬で、次の瞬間には、今さら何? と、思った。心が真っ黒になる。
埋め合わせなんてしてくれなくていいから、あの時、せめて翌日にでも、何かしら連絡がほしかった。


